2015年4月新卒入社の井野と2016年4月新卒入社予定の深津が当社取締役であるレオス・キャピタルワークス藤野英人氏とSkyland Venturesの木下慶彦氏に「働く」ということについて、じっくり対談しました。
井野:
藤野さん、木下さん、本日はよろしくお願いいたします。さてまずお聞きしたいのが、今、僕たちのまわりでも大企業だけでなく、ベンチャー企業に就職する若者が増えていますが、藤野さんや木下さんから見て、若者の働くことへの意識の特徴など、何か見受けられますか?
木下:
早熟な人が増えていると思いますね。これまでの日本人だと、海外に行ってMBAを取ったり、海外企業やGoogleなど外資系企業で働いた経験を経て起業する場合が多かったけど、最近は数年間も海外に行ったりしていると周りから追い抜かれるといった危惧感があって、20歳前後の人がスタートアップ企業でフルコミットでガンガン働いていたり、若いうちから自分でビジネスを立ち上げている人が増えていますね。そういった形で若い人には早い段階で成長している会社で働いてほしいと僕は思っています。
藤野:
木下さんの周りには元気なベンチャー志向の学生が多いからね(笑)。ところで、僕は明治大学でベンチャーファイナンス論の講師をしているのだけれども、その試験の中でいつも授業の感想を聞いています。そしてその感想の中で多いの が、「自分の中での働くイメージは、あまり楽しくはないが、お金のために仕方なく行うことだと思っていた。この授業に来た人は誰一人としてお金のために働いてはいなかった。彼らは大きな夢や社会を少しでも良くするために働いているように思えた。彼らは輝いているように見えて、自分の中での働いていることのイメージが、これまでのつらくてきついことから、自分の夢を叶えるという素晴らしいことへ大きく変わった」というような答えなんだよね。
この答えから見えてくることは、「営利活動は良くないことだ」、「儲けることは搾取することだ」っていうマルクス主義的考えを持っている人が結構いるんだよね。特定の大学の学生の中で見受けられる風潮ということではなく、一般的な大学に通っている多くの人に共通して見受けられる考えなんです。で、それはなぜそうなったのかというと、実は、親とかアルバイト、テレビの影響なんだよね。例えば、アルバイトでひどい扱いをされ、働くイメージが良くないものなってしまった、とかね。で、そういう思いの中で就職活動をすると、大企業のことも信じていないんだけど、ベンチャー企業の方がきつそうだから、どうせ楽しくなかったら、給料がいい方に行こうと考えるから、みんな大企業を志望するんだよね。だから僕は大学で、働くことの意味やお金の意味を一生懸命伝えているんだよ。
[1/9]