二子玉きんしゃい 様
- ■ 店舗情報
- 住所:〒158-0094東京都世田谷区玉川3-13-5
TEL:03-3709-5554
- Web:https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131708/13114926/
■ 妻の後押しもあり、馴染みのある二子玉川でオープン

福岡の料理学校を卒業後、学校の紹介で二子玉川にあった結婚式場に入りました。7,8年勤め、和食の基本をしっかりと身に付けさせてもらいましたが、結婚式場の料理は、食材の制約や定番メニューが多く、「もっといろんな料理を作りたい」と思い、暇をいただきました。その後は、すし屋、割烹、料亭など、いくつもの和食店を渡り歩きました。十店以上の店でお世話になり、そのおかげでいろんな料理を覚えられました。
前職を辞める際、次の勤め先を相談するため、先輩料理人の店を数軒訪ね歩きました。そのとき、今の店がある場所で営業していた先輩が店をたたんでいたんです。東京で初めて働いた二子玉川の空き物件と出会い、自分で店を持つことを考えました。もともと、店長や料理長として店を任されても、オーナーの意向があるため、自分の思い通りにはならないと感じていたので、独立も視野には入れていました。ただ、家庭を持つ身としては、なかなか決断できずにいました。そんな私の背中を押してくれたのは妻でした。彼女の「チャレンジしてみれば」という一言で決意し、自分の店を持つことにしました。
■ 目指すのは「月に一度の贅沢をする店」ではなく、「週に一回通う店」

当店は、外から店内の様子が窺えるように、入り口付近をガラス張りにしています。どんな店かわかれば初めての人でも安心して入れますし、外から覗いて「空いている」と思えば気軽に入ってもらえます。そして、当店はお一人様大歓迎。実際、女性のお一人様も多く、そのため、価格設定にも気を付けています。月に一度の贅沢をする店でなく、週に一回は通える店にしたい。だから、客単価が3000円前後となるような価格にしています。化学調味料を使わず、すべて手作りなのも当店の強み。毎日、しっかり出汁を取って、基本を大切にした細やかな仕事を心掛けています。丁寧に作った和食をリーズナブルに楽しんでいただける店、特に若い人にとって和食の入り口となれるような店になれればいいなと思っています。
また、鮮魚以外の食材は、地元の商店街や近所の農協で買うようにしています。商店街には、昔からの知り合いの店が今もありますからね。結婚式場で働いていたころからの友人が、実家の豆腐屋を継いでいるので、もちろん豆腐はその店のものを使っています。そうやって少しでも二子玉川の地に貢献したいです。
■ 八面六臂は魚の産地が明確だから、メニューのバランスを作りに役立ちます

八面六臂は、新しい仕入れ先を開拓しているときに、フェイスブックの広告で知りました。大根一本から届けてくれるフットワークの軽さに惹かれて取引を始めました。インターネットで注文ができる便利さだけでなく、要望を電話で伝えれば可能な範囲で対応してくれ、届く食材も新鮮。産地が明確なのも魅力ですね。
当店では、八面六臂だけでなく、五島列島や小田原など産直のものも含め、仕入れ先をいくつか組み合わせて使っています。築地に仕入れに行くこともあれば、近所で買うことも。日本列島は南北に長く、全国でいろんな魚が獲れます。だから、それぞれの産地を考慮に入れ、バランスよく提供できるように、複数の仕入れ先を組み合わせる工夫をするんです。五島列島のクエが入ったので、ほかのルートで北の魚を仕入れよう、といった具合に。そんなとき、八面六臂は魚の揚がった場所が明確だから助かります。東日本大震災の際、当店のお客様がボランティアで携わった陸前高田から直送のかきも提供しています。震災後3年過ぎたころから、粒のそろった良質の牡蠣が届くようになりました。今は自信を持ってお客様におすすめしています。