■ 中華料理に始まりさまざまな経験を経て、行きついた先は「居酒屋」でした。
私の実家が昭和42年から続く昔ながらの中華料理店を営んでいたので、小学生のときから料理人になって実家を継ごうと思っていました。横浜の中華街で5年間修業し、その後、経営を学ぶために、チェーンの中華レストランで3年間働きました。でも、そこではアルバイトでも作れるようにマニュアル化されていて、料理人としての腕が鈍らないか心配もありましたが、その分、原価管理や人件費の計算などを覚えられたことは、経営者となった今に生きていると思います。
あるとき、個人で営む中華料理店だと経営が厳しい状況だということに気が付き、「中華一本では難しいかもしれない」という危機感をもつように……。そこで、お酒はもちろん料理にも力を入れている「居酒屋レストラン」で働くことにしました。その店では、中華をベースに和と洋の要素を入れるなど、一からメニュー作りをする機会があり、チェーンの時にはすることが出来なかった、自由に調理できる喜びを感じましたね。
■ 大人気の「餃子」と「シュウマイ」!実家の中華料理店の味をお客様に伝えたい。
「あいぐん 寛ぎ刻・旬菜味厨房」は、それまでに培った経験の集大成となるお店づくりを目標に2012年にオープンしました。居酒屋のいいところは、お酒で利益が上がる点。実家の中華料理店をそのまま継ぎたい気持ちもありましたが、「おしいものを出しているのにもかかわらず、利益が上らない」という状況だったのです。
そのため、実家の中華料理店のおいしさを伝えるために「餃子」と「シュウマイ」を当店でも提供しています。鮮魚がメインのお店ですが、餃子を目的に来店される方がいらっしゃるほど大人気です。
提供する鮮魚は、他店との差別化を図る目的もあり、養殖のカンパチやサーモン、マグロといったどこの居酒屋でも食べれる魚ではなく、少し珍しい魚がメイン。地元神奈川の漁港から直接仕入れています。2年間、毎週欠かさず仕入れのために漁港へ足を運び続け、今では漁師さんとも仲良くさせていただき、漁師さんに包丁をお借りして、自分の店で仕れる魚を締める作業も行っています。なので神経締めの魚は鮮度バツグンです。
■ 市場より新鮮で値段も安い!珍しい魚を提供する当店にピッタリの仕入れ先です。
三浦や佐島などの漁港から直接仕入れているので、新鮮な魚が手に入りますが、天候の悪い日や夏の暑い時期などは、ほしい魚がなかなか手に入りません。そんなときに以前は、市場から仕入れていましたが、漁港が品薄のときは、市場もだいたい扱う魚種が少ないもの。漁港と比べると、鮮度も少し落ちるし、値段も高く困っていました。「いい仕入れ先がないかな~」とさまざまな漁港の情報をあれこれと調べているうちに、八面六臂のサイトにたどり着きました。
その日にあがった魚が次の日の夕方までに届くということで、市場より新鮮だし、値段もお手頃だったので、試しに使い始めました。魚種も豊富で、その日どんな魚があがっているかひと目で分かるところがとにかく便利。九州の「オジサン」や「カイワリ」「マトウダイ」など関東ではまだまだ珍しいとされている魚が手に入ります。「おいしく珍しい魚を提供する」という当店のコンセプトの維持ができているのは、八面六臂のおかげですよ。