カレイ目カレイ科イシガレイ属
石鰈、Kareius bicoloratus
生息域:日本各地
旬時期:7月~11月
調理法:刺身、塩焼き、ムニエル、唐揚げ

イシガレイ

基本情報

活けのものは刺身で提供される。しこっとした歯ごたえがあるので洗いにしてもよい。マコガレイやマガレイの方が味は上。塩焼きは淡泊であっさりした旨みがあって美味。全国沿岸で漁獲されることから惣菜魚として親しまれている。表側に石状の石状骨質板を持つことからイシダイと呼ばれる。北海道ではイシモチと呼ぶ地域もある。

特徴

有眼側・無眼側ともに鱗がないが、体側背部には大きく縦に並んだ骨質板があり、目のある側の背びれ、尻びれの根元に沿うように小さく並んだ骨質板を持つ。体長40cmほどになる。水深70m以浅の沿岸から水深100mまでの砂泥底に生息するが、沿岸海域、河川や湖沼などの汽水、淡水域まで侵入ことがある。産卵期は11月~5月頃で、湾内の30m以浅に上がって産卵する。海老・カニ類、多毛類、小型魚類などを捕食する。体表の色素細胞である黒色素胞(メラノフォア)の大きさを変えることにより、周囲の環境に合わせて体色を変えることができ、保護色となる。日本全国の沿岸および千島列島や樺太、朝鮮半島から中国や台湾にまで生息する。ヌマガレイとの自然雑種が知られており、最初に小樽市の忍路(おしょろ)湾で発見されたことから、当初オショロガレイと呼ばれた。通常はこの雑種をイシガレイ×ヌマガレイと表記する。雑種では、目が左側にあるものと右側にあるものが半分ずつ出現する。

食材情報

産卵期は冬から春先で、初夏から晩秋頃まで栄養を蓄えて美味しい。産卵前の子持ちのものを食べる地域もある。表面にぬめりが残っていて、エラの中が鮮紅色のものを選ぶ。活けは高価だが、野締めは安く取引されている。時間が経つと独特の臭みが出るため、なるべく早く石の部分とエラを切り落として調理する。たんぱく質を多く含み、脂肪分が少ない。タウリンに富み、疲労回復にも良いとされる。底曳網や定置網で漁獲される。