クルマエビ

クルマエビ科クルマエビ属
車海老、車蝦、Prawn
生息域:北海道以南から日本各地
旬時期:6月~8月(養殖ものは12月~2月)
調理法:塩焼き、天ぷら、フライ、刺身

クルマエビ

基本情報

江戸前の天ぷらや寿司に欠かせないクルマエビ。寿司種としては茹でたものを握るが、最近では活けのものをオドリで出すことも多い。寿司や天ぷらでは、サイマキやマキとよばれる小型の方が身が柔らかく味が濃く美味とされる。フライや塩焼きにしても美味しく、姿も美しいことから、古来から日本人に愛されてきた代表的なエビである。

名前の由来

身体を曲げると縞模様が車輪のように見えることに由来する。5cm以上のものをクルマエビ、10~15cmのものをマキ、それ以下のものをサイマキ(細巻)、特に大きい20cm以上のものはオオグルマ(大車)と呼ぶ。別名にアエビ、ハルエビ、ホンエビ、マエビ、マダラエビなどがある。

特徴

成体は体長15cmほどだが、雌の大きいものは30cmを超える。細長い円筒形で、脚は太く短い。淡褐色で黒い縞がある。日本産のクルマエビ科の中で最も縞模様が明瞭であることから近縁種と区別できる。上縁に9~10歯、下縁に1~2歯の鋸歯があり、胸脚の3対に鋏がある。日本近海からオーストラリア北部、南アフリカまでのインド太平洋沿岸、ならびに地中海東部に広く分布する。日本近海での分布北限は北海道南部。水深15~25mの内湾や汽水域の砂泥地やに生息する。昼間は砂に潜り、夜に活動する。雑食性で藻類や貝類、多毛類、小魚などを捕食する。産卵期は6月から8月で、産卵数は70万~100万粒に達する。卵は抱かず一気に放卵する。卵は直径0.3mmたらずの大きさで、海中を漂いながら発生し、半日ほどで孵化する。ノープリアス幼生、ゾエア幼生、ミシス幼生、ポストラーバ幼生を経て、脱皮を繰り返しながら稚エビとなる。寿命は1年半~2年半。

食材情報

江戸前の寿司や天ぷらに欠かすことのできないクルマエビ。寿司種や天ぷらには25g前後までのものがよく、あまり大きくなったものは大味になる。これはフライや塩焼きに向く。旬は初夏だが、養殖ものが中心となっており、年間を通じて出回っている。天然ものと養殖ものでは値段がほとんど変わらず、大きさで値段が決まる。死ぬと急速に傷み、臭みが出るが、オガクズの中に詰めて湿度を保つことによって長時間生かしておけるので、この状態で出荷・流通が行われる。

漁獲法

底曳網、板曳網、刺網、定置網などで漁獲される。伊勢湾や有明海など大規模な干潟や内湾を抱える地域に多く、愛知県や熊本県では県の魚に指定されている。年間を通じて漁獲されるが、特に夏の漁獲が多い。

蓄養や養殖も各地で行われている。クルマエビの養殖が始まったのは明治23年頃、愛知県、熊本県で畜養が始まった。明治38年には熊本県上天草市維和島でエビの蓄養が始まり、天草地方はクルマエビ蓄養の本場になった。昭和8年には熊本県でクルマエビの孵化に成功し、昭和39年に種苗生産技術が確立された。高価な餌や高度な生産技術を必要とすることから、国内での養殖畜養が中心であり、天然ものに対して値段が崩れない原因のひとつにもなっている。