マルスダレガイ目ニッコウガイ科サラガイ属
皿貝、Northern great tellin
生息域:千葉県銚子以北(太平洋側)、鳥取県以北(日本海側)
旬時期:春
調理法:焼き貝、野菜炒め、味噌汁、カレー

サラガイ(シロガイ)

基本情報

以前は北海道や青森の産地で消費されることが多かったが、近年関東の市場で「シロガイ(白貝)」として名前が知られるようになった。サラガイ、アラスジサラガイ、ベニザラガイが区別されずシロガイとして関東などで流通している。もともとはウバガイ(ホッキガイ)の漁業に伴う混獲物であり、産地で消費されていたもの。ウバガイに比べて安価であり、炒め物や味噌汁などに利用されることが多い。

名前の由来

殻が比較的厚く、形が扁平で、白い皿のように見えることに由来する。シロガイ、ヒラガイの別名を持つほか、殻の表面が白粉を塗ったように見えることから、ジョロウガイとも呼ばれる。そのほかの地方名に、イタガイ、マンジュガイ、マサガイなどがある。

特徴

殻長10cm、殻高2.5cm程度。貝の表面は白く、表面に規則的な成長脈がある。殻頂の下には主歯と前後側歯がある。殻の内側は黄色または橙色。足部は黄色から黄橙色。太平洋側は千葉県銚子以北、日本海側は鳥取県以北、朝鮮半島、沿海地方、サハリン沿岸にかけて分布し、潮間帯から水深10m程度の河川の流入の少ない砂泥地に生息する。産卵期は夏から秋で、受精後、浮遊幼生期を経て底生生活に移行する。ほかの二枚貝と比べて成長が遅く、1年で殻長1.3cm、3年で3.6cm、5年で5.3cm、10年で8cm、15年で9.3cmに程度になる。寿命は20年以上とされる。ウバガイやバカガイと同様に、入水管を書いて以上に伸ばして浮遊する植物プランクトンやデトリタスを摂食する。

食材情報

サラガイ類の中で食用になるのは、サラガイ、アラスジサラガイ、ベニザラガイの3種。 くせがなく、貝独特の風味が薄い。ウバガイなどと比べて安価であることから、野菜炒めや味噌汁などの惣菜用に使われていた。春になると、身が太って締まりが良くなるので、殻ごと費にかけて焼き、醤油をたらして食べても素朴な味わいが楽しめる。北海道白老などでは、肉の代わりにサラガイをカレーの具材に使用することがある。買う時には、生きているもの、貝殻につやのあるものを選ぶ。

市場での評価

市場では、アラスジサラガイ、ベニザラガイと合わせて、シロガイと呼ばれて流通している。値段は安いが近年相場が上昇してきている。相場は800円~1300円/kg程度。

漁獲法

ウバガイ(ホッキガイ)桁漁に混ざって漁獲される。主な産地は北海道、青森県。