ワカサギ

サケ目キュウリウオ科ワカサギ属
公魚、Pond smelt
生息域:太平洋側は茨城県以北、日本海側は島根県以北
旬時期:2月~3月
調理法:天ぷら、フライ、塩焼き、煮物、佃煮

ワカサギ

基本情報

氷上のワカサギ釣りは、冬の風物詩として有名。島根県の宍道湖や滋賀県の琵琶湖、茨城県の霞ヶ浦が名産とされ、「宍道湖七珍」のひとつにもなっている。天ぷらやフライにして美味で、特に小ぶりのものは骨も柔らかく、丸ごと食べられる。佃煮や甘露煮、マリネや南蛮漬けなど調理法が幅広い魚である。新鮮なものは刺身でも食べることができる。10月から3月頃に漁期を迎えるが、桃の節句前後には、特に脂が乗って美味になる。

名前の由来

「わか」は幼いことを意味し、「さぎ」は細魚・小魚を意味する。「若い細魚」の意。「公魚」の漢字は、江戸時代に将軍家に霞ヶ浦のワカサギが献上されていたため。鰙、若鷺とも書く。地方名に「アマサギ」「シラサギ」(共に島根県出雲地方)、「スズメウオ」(千葉・静岡)、「ソメブリ」(北陸)、「サイカチ」(群馬)などがある。なお北海道や東北では「チカ」と呼ぶことがあるが、チカは近縁種の別の魚であり、このチカがワカサギとして売られていることもある。

特徴

全長15cm程度。体は細長く、ひれは小さい。尻びれの前方端が背びれの端よりも前についていることから、近縁種のチカと区別できる。太平洋側は茨城県以北、日本海側は島根県以北に分布する淡水魚。産卵期は冬から春で、南にいくほど早くなる。北海道では春から初夏。成長期に海に回遊し河川に上り産卵するもの(遡河回遊型)と、生涯を湖などに陸封されたもの(河川残留型)がいる。淡水の水草や枯れ木、護岸などに直径1mmほどの卵を産みつける。産卵数は1000~20000粒ほど。主に動物プランクトンや魚卵、稚魚、底生生の昆虫などを捕食する。寿命は多くは1年だが、寒冷地を中心に2~3年生きる個体もある。

食材情報

湖に張った氷に穴を開けて釣り糸を垂らすワカサギ釣りは冬の風物詩として有名。島根県の宍道湖や滋賀県の琵琶湖、茨城県の霞ヶ浦のものが有名。「宍道湖七珍」という名物魚貝類のひとつにも選ばれている。かつては霞ヶ浦で帆曳き漁が行われたが、現在では観光目的で行われるのみである。天ぷらやフライにして美味。成魚は骨が太くて硬いが、小ぶりなものは骨も柔らかく、丸ごと食べられる。素焼きや塩焼き、佃煮や甘露煮などにも料理されるほか、揚げたものをマリネや南蛮漬けにしても美味である。骨ごと食べるため、カルシウムを摂取できる。新鮮なものは刺身でも食べることができる。10月~3月頃が漁期だが、特に脂が乗って美味しくなるのは2月から3月。銀色に輝いているものは新鮮。鮮度が悪くなると腹が破れやすい。

市場での評価

北海道・青森・琵琶湖などでの漁獲が多く、夏を除き、一定量が市場に流通している。チカと近縁種で混同されることがあるが、ワカサギの方が高価に取引される。

漁獲法

冬期(10月から3月頃)が漁期で、刺し網や定置網で漁獲される。琵琶湖や山中湖、霞ヶ浦、宍道湖、諏訪湖など各地の湖沼で漁業者による漁が行われている。宍道湖のものが評価が高いが、1994年を境に漁獲量が大きく減少した。これは水温上昇が原因と考えられている。もともとは海や汽水湖に生息していたが、各地の湖に移植され、現在では多くが湖やダムなどの淡水に定着している。1910年代に水産動物学者の雨宮育作が霞ヶ浦のワカサギを山中湖や諏訪湖に移植し、全国の湖沼に普及した。現在では南西諸島と伊豆・小笠原諸島を除く全国に分布域を広げている。

氷上でのワカサギ釣りは冬の風物詩となっている。長野県の野尻湖や諏訪湖、山梨県の山中湖や河口湖では「ドーム船」と呼ばれる船に乗り、船底に開いた穴から釣る遊漁も行われている。