ヒメ目アオメエソ科アオメエソ属
青目狗母魚、Greeneyes
生息域:福島県~鹿児島県
旬時期:通年(千葉県以北では冬~春、日向灘では7~8月と12~1月)
調理法:刺身、天ぷら、干物、塩焼き

メヒカリ

基本情報

一般にはメヒカリとして流通し、大衆魚として親しまれている。かつてはすり身の材料として主に利用されていたが、近年になり、脂の強さが消費者の嗜好と合って、鮮魚で広く流通するようになってきた。あっさりとしたくせのない味わいで、身の柔らかさと脂の強さが特色。産地では天ぷらや干物のほか、新鮮なものは刺身にして賞味する。

名前の由来

エソ類の魚で、目が大きく、青く光っていることに由来する。メヒカリ(目光)の名称が一般的。静岡県沼津市ではトロボッチと呼ばれる。

特徴

全長20cm程度。福島県から東シナ海、パラオ海嶺にかけて分布し、水深 150~450mに生息する。口腔内が白く、鋤骨外縁に歯があり、舌上に歯帯がある。胸びれが短い。生態には謎が多く、産卵場所や成熟する場所も不明である。独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所高知庁舎の調査によれば、土佐湾に生息するアオメエソは年齢 0~3 歳の未成熟個体で、秋に標準体長約 5.0cm で出現した後、15.0cm まで成長しながら漁獲され、その後、土佐湾から姿を消す。各年齢の標準体長は、満 1 歳が 8.5~9.0cm、満 2 歳が 12.0~12.5cm、満 3 歳が14.5~15.0cm。生息水深は、成長とともに食性を変えながら深場へ移動し、1 歳までは水深 200m 以浅、1 歳が 150~300m、2 歳以降になると 200~350m に移動する。オキアミ類を主食とするが、小型個体はカイアシ類等の小型甲殻類、大型個体は魚類や甲殻類類も捕食する。

食材情報

昔は二束三文にもならなかった魚。マルアオメエソ、トモメヒカリなどとともに、一般にはメヒカリとして流通し、大衆魚として親しまれている。かまぼこなどすり身の材料になることが多いが、身の柔らかさと脂の強さがありまったりとした味わいで、刺身や天ぷらにして良い。あっさりとして癖のない白身で、塩焼きやつみれ、佃煮にしても美味。駿河地方では「トロボッチ」と呼ばれ、一夜干にして食べられている。福島県いわき市では、「いわき市の魚」として親しまれている。マルアオメエソは千葉県の銚子沖から青森県にかけての太平洋沿岸、アオメエソやトモメヒカリは相模湾から南アジアにかけて多く漁獲される。旬は、千葉県以北では冬から春まで、日向灘では漁期が7月~翌年4月(5~6月は産卵のため禁漁期)とされ、7~8月と12~1月が最盛期とされる。ビタミンAやカルシウムを多く含有する。脂肪が多く、DHAやEPAの不飽和脂肪酸に富む。

市場での評価

加工業者が大漁に荷受け購入するため、鮮魚での流通量はやや少ない。主な産地は静岡県、愛知県、三重県、高知県、宮崎県。市場ではマルアオメエソ、トモメヒカリなどと一緒にメヒカリとして流通している。

漁獲法

底曳網で漁獲される。