ヤマメ

サケ目サケ科サケ属
山女魚、Masu salmon、Cherry salmon
生息域:全国各地(大分県・宮崎県を除く)
旬時期:夏
調理法:塩焼き、唐揚げ、バター焼き

ヤマメ

基本情報

渓流釣りの王者として人気が高く、川魚の中で一、二を争う旨さとされるヤマメ。サクラマスの陸封型で、アマゴやサツキマスは亜種。塩焼きにして絶品で、産卵期を迎える前の夏が旬とされる。かつては山間ならではの味わいだったが、近年では養殖が盛んになり、広く流通するようになった。

名前の由来

「め」は魚を表す語尾で、山にいる魚の意。地方名に、エノハ、コクレ、コサメ、シケ、シマメ、マダラ、ヤマベなどがある。

特徴

全長35cm程度。サクラマスの陸封型(河川残留型)とされる。北海道ではサクラマスはかなりの割合で降海するが、南方にいくほど降海する個体が少なくなり、河川残留型(ヤマメ)となる。体側に約10個のパーマークがあり、背側に黒斑が多数ある。背側に朱色斑があるものは、亜種関係にあるサツキマスまたはアマゴとされる。北海道から本州、大分県・宮崎県を除く九州にかけて分布し、アマゴと分布が分かれていたが、近年では放流により分布が乱れ、一部の地域では混在していると考えられている。またイワナと棲み分けをし、イワナのいる河川ではイワナよりも下流の中・上流域に生息するが、イワナがいない河川では、源流域にまで生息範囲が拡大する。産卵期は9~10月で、繁殖期は体全体が黒っぽくなり、紅色の婚姻色が出現する。河川上流域の主に本流の砂礫質の河川に産卵床を形成し、全長20cmの個体で200粒、28cmの個体で800粒程度を産卵する。孵化した稚魚は水生昆虫や流化してくる陸生昆虫を捕食する。成魚は小型魚類や甲殻類、昆虫などを捕食する。

食材情報

川魚の中で一、二を争う旨さとされるヤマメ。塩焼きにすると野趣溢れる味と、ふっくらとした身が絶品。唐揚げやバター焼きも美味。松本駅ではヤマメの姿寿司が駅弁で売られ、人気を博している。古くは山間部の貴重なたんぱく源として食べられていたが、養殖が盛んになり、一般にも広く流通するようになった。旬は産卵期前の夏。寄生虫がいることがあるため、生では食べられることは少ない。宮崎県三股町のしゃくなげの森では、養殖したヤマメの卵を特産品として販売している。販売する卵は、その色合いから「黄金イクラ」と名づけられている。栄養価としてはカルシウムを豊富に含有する。体の黒いパーマークが明瞭で褪色していないもの、触って張りのあるもの、表面のぬめりが濃いものが新鮮。放流物は尾びれがすり減っているが、味に大きな違いはないとされる。

市場での評価

現在流通しているヤマメのほとんどが養殖物。価格は安定している。3尾入りで500~700円程度。市場で出回るのは4月~9月頃までが多い。

漁獲法

養殖がほとんどである。天然物は釣りで漁獲される。入漁は河川の漁業権を持つ漁業協同組合の指定のもとに行なわれる。自治体や漁協によって、産卵期間の10月から翌年4月頃まで、資源保護を主目的とした禁漁期間が設定されている。主な産地は、岩手県・和歌山県・愛知県など。

イワナとともに渓流釣りの王者とされる。イワナに比べて、ヤマメ、アマゴは警戒心が強いことから、釣りの時には、人の気配を感じさせないことが大切。難易度が高く、尺上(30cm以上)のヤマメは渓流釣師の憧れといわれる。