マトウダイ

マトウダイ目マトウダイ科
的鯛、John dory
生息域:本州中部以南
旬時期:12月~5月
調理法:ムニエル、フライ、刺身、肝蒸し、鍋、塩焼き、煮つけ

マトウダイ

基本情報

西洋料理では、シタビラメと並んで代表的なムニエル材料とされるマトウダイ。バター焼きやグラタンなどの西洋料理としてよく利用される。淡泊でコクのある白身魚で、刺身や塩焼き、煮つけ、フライ、唐揚げなど様々な調理法で賞味される。肝が大きく、刺身と共に供されたり、とも和えや肝蒸しにして食べられる。ヨーロッパでは「サン・ピエール」「聖ペテロの魚」と呼ばれ、尊ばれている。

名前の由来

体の側面にある白く縁取られた黒斑が矢の的のようであることに由来する。口が伸びて顔が馬に似ることから、「馬頭鯛(マトウダイ)」に由来するとする説もある。地方名に、カガミダイ(福島県・千葉県)、ハツバ(千葉県小湊)、カネタタキ(新潟県、愛媛県)、クルマダイ(新潟県・富山県・石川県・福井県)、モンダイ(石川県能登町宇出津)、バト(福井県)、バトウ(京都府、島根県)、ツキノワ(鳥取県)、オオバ(山口県萩市)、ホンマト(愛知県豊橋市)、マトウオ(和歌山県)、マトハギ(和歌山県)、マトウ(兵庫県)、ワシノイオ(福岡県)などがある。ヨーロッパでは「聖ペテロの魚」と呼ばれ(ドイツ語でPetersfisch、フランス語でSaint-Pierre、スペイン語でpez de San Pedro)、尊ばれている。貧しかった使徒ペテロが教会へのお布施にマトウダイを持っていったところ、口の中から金貨が出てきたという言い伝えによるもので、黒色斑はこのときにつけられた聖ペテロの指の跡とされる。また学名のZeusはギリシャ神話の全知全能の神の名前に由来する。

特徴

全長50cm程度。銀色に輝く平たい体の側面中央に、白く縁取られた黒い斑点がある。口は大きく斜め上向きで、受け口の中に顎骨の大半が折りたたまれており、小魚が近付くと口を伸ばして丸飲みにすることができる。背びれが大きく棘条になっており、成長と共に棘が長く伸びる。成魚になると、棘の先端が糸状に伸び、尾びれに届くものもいる。西部太平洋・地中海・インド洋・東部大西洋に分布する海水魚で、日本近海では、本州中部から東シナ海にかけての沿岸域に生息する。産卵期は春から初夏で、海底の砂の上に産卵する。卵は分離性浮性卵で、稚魚は浅い海で成長した後、水深50~150mの深みに移る。魚類や甲殻類、頭足類を捕食する。同じマトウダイ科のカガミダイに似るが、カガミダイには体側面の黒斑がないことから区別できる。

食材情報

西洋料理では、シタビラメとともに代表的なムニエル材料とされる。白身肉は淡泊だがコクがあり、刺身や塩焼き、照り焼き、煮つけ、椀種、フライ、唐揚げなどで賞味される。山陰地方などでは特に珍重される。内臓が全体の3分の1近くを占めているが、肝臓が特に大きく、美味である。新鮮なものは生食で刺身に添えたり、白身肉ととも和えにしたりする。煮つけや鍋にしても良い。身割れしやすいため取扱に注意が必要。内臓が大きいため、鮮度が落ちやすい。黒斑紋が鮮明で、皮肌につやがあり、腹部に張りのあるものが新鮮。

市場での評価

豊洲などの市場には、量は少ないが安定して入荷している。1kg以上あるものが高く、キロあたり800~1500円程度。小さなものは500~600円程度で売られていることもある。定置網のものは高い。巻き網、底曳き網は状態が良くないことが多い。