シラウオ

サケ目シラウオ科シラウオ属
白魚、Icefish
生息域:有明海以北
旬時期:3月~4月
調理法:かき揚げ、刺身、卵とじ

シラウオ

基本情報

かつては隅田川でもとれ、透き通った美しい姿は江戸の春の風物詩だった。かすかな苦みを持つ淡泊な味わいは春を代表する味覚。新鮮なものは刺身にして良く、またかき揚げや卵とじにして美味。シロウオとは別種の魚である。

名前の由来

体が乳白色であることに由来する。ただし生きている時は透明で背骨や内臓などが透けて見える。捕獲されて弱ると急速に乳白色に変化する。 野良仕事をしない殿様の手がシラウオのようにきれいであることから「トノサマウオ」の別名を持つ。ほかに「アマサギ」、「シオレ」、「シラオ」、「シラス」、「シラユ」、「スベリ」などの地方名を持つ。

特徴

全長10cm程度。体は透明で、覆面は鰓蓋などに小さな黒点が分布する。成熟した雄には尻びれの基底に14~15枚の鱗がある。背びれと尾びれの間に脂びれがあることから、シロウオやほかの魚の稚魚と区別できる。有明海以北からサハリン、沿海州から朝鮮半島東岸にかけて分布し、内湾から汽水域に生息する。産卵期は春で、2月から5月頃に汽水域で粒径1mm以下の粘着卵を砂に産みつける。抱卵数は400~1300粒で、10℃の水温で受精後約3週間で孵化する。孵化した稚魚は沿岸域でプランクトンを捕食しながら成長し、冬を越した成体は産卵のため再び汽水域へ集まって産卵する。寿命は1年で、雄雌共に産卵後に死んでしまう。

食材情報

江戸っ子には馴染み深い魚。シラウオ(白魚)とシロウオ(素魚)はしばしば混同されるが、シラウオはサケ目、シロウオはスズキ目ハゼ科で別種の魚である。淡泊ながらかすかな苦みと柔らかな甘みがあり美味。新鮮なものは刺身で食べたい。わさび醤油や辛子味噌に合わせる。寿司屋では軍艦巻きにして提供する。また天ぷらにして良く、カラリと揚がったシラウオのかき揚げは春の味覚。卵とじやお吸い物にしても美味。ちりめんや佃煮に加工されることもあり、高価だが味わいが良い。島根県宍道湖「宍道湖七珍」のひとつに数えられる(鯉、ワカサギ、ウナギ、スズキ、ヤマトシジミ、ヨシエビ、シラウオ)。目が黒く澄み、体が透けて見えるものが新鮮。成分の80%以上が水分で、たんぱく質や脂質は少ないが、丸ごと食用にされることから、カルシウムを多く摂取できる。

市場での評価

春になると入荷が増え、高価に取引される。シラウオは樗蒲(ちょぼ)単位で数えられる。一樗蒲は20尾。

漁獲法

四角形の網を十字に組み竹で吊るした「四つ手網」がよく使われるが、霞ヶ浦などの大きな産地ではシラウオ用の刺し網や定置網でも漁獲される。霞ヶ浦、宍道湖、有明海などが主な産地。