短尾下目クモガニ科タカアシガニ属
高足蟹、Japanese giant crab
生息域:岩手県沖から九州までの太平洋沿岸
旬時期:2月~3月
調理法:蒸し物、塩茹で

タカアシガニ

基本情報

成長した雄は、脚を広げた状態で全長3mを超す世界最大のカニ。静岡県沼津市の旅館ではタカアシガニを名物料理として提供している。

名前の由来

足の長いカニという意の名称。静岡県沼津市ではヘイケガニ(平家蟹)、静岡県御前崎ではメンガニ(面蟹)とも呼ばれていた。

特徴

甲長40cm程度に達する巨大なカニ。成長した雄が鋏脚を広げると3mを超える。甲は洋梨形で、若い個体には短毛が生えている。歩脚は円筒型で、海底では立ち上がって前に歩く。全身は橙色で、脚には白色のまだら模様が入る。甲羅の前方に複眼が並び、複眼の間には斜めの棘が左右に突き出す。岩手県沖から九州までの太平洋沿岸、東シナ海にかけて分布し、水深200~400m程度の砂泥底に生息するが、春の産卵期には水深20m程度の浅海に移動して産卵する。

食材情報

カニ類の中で世界最大という話題性があるが、身肉は少なく、水っぽいと評価されることが多い。蒸すと身が締まり、最近では静岡県沼津市などで名物料理として提供されている。

市場での評価

流通量は多くない。関東の市場にも少ないながら入荷してくる。値段は安めで、ズワイガニの半値以下ほど。脚が取れやすい。

漁獲法

静岡県沼津港、千葉県金谷港・外房、神奈川県三浦市長井、愛知県蒲郡市形原、三重県尾鷲市尾鷲漁港などで、底曳き網に混じって漁獲される。漁業対象としているのは静岡県のみで、小型底曳き網のほか、籠漁も行なわれる。静岡県沼津市では観光資源となっている。近年では漁獲量が減少しているため、種苗放流が行なわれている。漁期は場所によって異なり、駿河湾では9月から翌年5月が漁期となる。