ウルメイワシ

ニシン目ニシン科ウルメイワシ属
潤目鰯、Round herring、Japanese sardine
生息域:全世界の暖海
旬時期:冬
調理法:干物、刺身

ウルメイワシ

基本情報

マイワシ、カタクチイワシと共に、重要な水産資源とされている。新鮮なものは刺身にして美味だが、鮮度が落ちやすいため、産地のほかではあまりお目にかかれない。一般的には丸干しとして親しまれ、特に大型のものは高級品である。シラスは釜揚げやシラス干しなどに加工されるが、マイワシやカタクチイワシに比べると、漁獲量が少ない。

名前の由来

眼が大きく、脂瞼に覆われて潤んでいるように見えることに由来する。地方名に、アタマアカ、ウルメ、オオメイワシ、ガンゾウイワシ、ギド、ギドオ、メギラ、ドコ、ゴコオ、ダルマイワシ、テッポウ、ドオメ、ドンボ、ナキウルメ、ナキナキウルメ、ノドイワシ、マイワシノムコ、マナゴイワシ、マツワイワシ、メギラなどがある。

特徴

全長30cm程度。マイワシよりも眼が大きく、脂瞼に覆われて潤んでいるように見えることが和名の由来。ほかのイワシ類は腹びれが体の中央部で背びれの直下にあるのに対して、ウルメイワシでは体の後部で背びれより後方にある。体は前後に細長く、断面は背中側がやや膨らんだ卵型。下顎が上顎よりもわずかに前に突き出ており、体色は背中側が藍色、腹側が銀白色。1縦列の鱗数は53~56枚で、カタクチイワシやマイワシよりも鱗が細かい。全世界の熱帯・温帯海域に広く分布し、特に暖流に面した沿岸海域に多い。春から夏には北上、秋から冬には南下するという季節的な回遊を行う。日本沿岸でも、黒潮の勢力が強い時には北海道に群れが出現する。海面近くで群れをなして遊泳するが、群れの規模はマイワシよりも小さい。産卵期は春から夏と長く、一度に3,000~20,000粒の直径1.2mm程度の分離浮性卵を産卵する。孵化直後は全長4mm程度で、稚魚は最初、水深40~100mあたりに生息するが、次第に表層へ移動し、30m以浅に多く見られる。1年で13~18cm程度、2年で18~20cm程度、3年で20cm程度に成長し、体長18cm前後から成熟し産卵が可能になる。主に動物性プランクトンを濾過摂食する。

食材情報

日本ではマイワシ、カタクチイワシと共に、いわゆるイワシの一種として重要な水産資源とされている。新鮮なものは刺身にして美味だが、鮮度が落ちやすいことから、一般的ではない。イワシ類としては脂が少ないため、丸干しやメザシなどの干物に向く。ウルメイワシの干物は高知県の名産品で、特に大型のものは高級品とされる。焼き魚や煮つけ、天ぷら、唐揚げなど幅広い料理に利用される。石川県では、内臓と頭を取り、米ぬかに漬け込んだ郷土料理があり、軽く焙って食べるほか、アンチョビがわりに使われる。シラスは釜揚げやシラス干しなどに加工される。練り製品など加工品の材料にも利用されるほか、養殖用の餌料にも使われる。西日本では通年漁獲されるが、産卵を控えた冬が旬とされる。 干物はふっくらとして表面がきれいなもの、鮮魚は身が硬く、鰓が鮮紅色のものを選ぶ。触って柔らかいもの、腹が割れているものは鮮度が劣化している。

市場での評価

鮮魚で流通することは少なく、干物で流通することが多い。

漁獲法

巻き網、定置網で主に漁獲される。漁獲量は年間約4~5万トンで、イワシ3種の中では最も少ない。島根県を中心とした山陰地方、太平洋沿岸各地で多く水揚げされる。漁期は、山陰地方で春~晩秋、九州西部で春と秋、太平洋南部で夏~初冬にかけて盛期を迎える。