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飲食店の生鮮食品の仕入れについて教えて下さい。


料理のプロとして、飲食店がどこから食材を仕入れるかは、食材をどのように調理するのか、と同じぐらいの重要さがあります。どのような優れた調理技術があっても、食材の品質が悪かったり、そもそも仕入れができなければ、美味しい料理を提供することができません。

調味料や加工品など、Amazonや楽天といった大手通販サイトで販売されているメーカー品の業務用食材については、賞味期限も長く、また規格が安定していることから、どのような業者であっても取り扱いができるため、ネットで価格比較しながら仕入れたり、または出入りしている複数業者に見積りを依頼し、調達することができます。ただし、この場合でも、発注ロットや最低取引金額についてのルールがあったり、商品代とは別途、配送費がかかることが一般的で、いかにネット上などで価格が安く見えても、実際に店舗で入手するには、費用が高くついたり、条件面などで仕入れることができない場合もあります。

一方、鮮魚をはじめとした水産品や野菜などの生鮮食品については、賞味期限の短さや安定しない商品規格と値段、そして不定貫取引という「kg単価」での商取引慣行のため、一般的なECサイトではシステム上、そもそも取り扱うことが難しく、仕入先候補としてはかなり少なくなります。また、従来から生鮮食品を取り扱って町の飲食店に納品している卸売業者についても、日々変わっていく商品規格や値段を情報整理することができず、未だにFAXやチラシといったアナログな形で販売案内しているため、限られた商品選択肢の中からしか飲食店は発注できないことも多々あります。最近では、販売管理ITツールを開発している他社のサービスを利用して、LINEやメール、WEB発注に対応しているという卸売会社も出てきて、飲食店側にとっては、スマホやPCで発注できるようになったというメリットが生まれてはいますが、その実、卸売会社内での商品規格や値段の商品マスタ管理が結局のところ、EXCELやACCESSなどの前近代的なツールで行われているため、FAXで販売しているのとあまり変わらない実態で、受注処理やピッキング業務なども手作業や紙作業となっています。

しかしながら、豊洲市場や大田市場などの仲卸や、それを取り巻く従来の納品業者の、こういったデジタル化に対しての時代遅れ感は否めないところですが、では、こういった事業者の販売している商品の品質や価格が劣っているのか、というと、それは別問題です。市場休を挟みながら、ほぼ毎日、全国各地から様々な商品が入荷し、需要と供給を見定めながら、プロ同士が的確に当日中に商品を売りさばいていくという行為を何十年と繰り返してきているため、そこで形成されている相場価格や品質管理は徹底されており、新規のアマチュア業者がいかに参入しようとしても、すぐには真似ができません。そもそも全国の産地から商品を集めている荷受業者と呼ばれる大卸(おおおろし)の「競り場」から商品を直接買付するためには、一定年数の経験を踏まえての買参権の取得をした仲卸であるか、第三者販売(相対取引)といった特殊な契約をした買付業者でないといけません。したがって、新規参入納品業者の場合、必然として、市場内に幾多とある仲卸を窓口にして商品を仕入れたり、または市場で相手にされないということで、産地の業者からやむなく仕入れをしている、ということもあります。近年では、このような背景で生まれてきた「産直ビジネス」という看板を掲げる会社が多数あり、中には、「市場流通の商品は、産地市場での取引後、中央卸売市場の荷受、仲卸、納品業者を経て取引が多段階に行われるため、値段もどんどん高くなり、水揚げや収穫から数日以上経過して店舗、そして消費者のもとに届いています」と虚偽の記載をし、逆に、自身の「産直商品」がいかに価格面や鮮度面で優れているか、と喧伝している例が多く見られます。

このような誤った情報が多くある中、飲食店が適切に生鮮食品を仕入れるためには、市場内外それぞれの各卸売業者や産直事業者の強みと弱みを正確に知っておく必要があります。先ほど挙げた産直事業者から首都圏の飲食店が生鮮食品を仕入れる場合、一番ネックになるのが配送コストです。宅配便を利用して非首都圏から仕入れるとなると、CtoCを想定した宅配便の運賃設計では、1箱あたりの配送コストがどうしても高くなり、また温度管理が必要な生鮮食品の場合、クール便などを利用する必要があるため、さらにコストが膨らみます。中間業者がいないから商品価格がいかに安いとしても、この配送コストが高ければ、最終的な仕入れ値は現実的なコスト感ではなくなります。逆に、配送コストの比率を抑えるために、仕入れロットを増やすということをすると、新鮮さを売りに仕入れた商品がお店で数日以上をかけて販売することで、どんどん鮮度が劣化し、料理の質を下げてしまったというパターンも散見されます。それ以外の問題では、産地側では気候不順などで水揚げや収穫が不安定であるため、発注したけれども食材が届かない、ということもよくあります。

「しかしそのような問題があったとしても、産地から買い付ける商品が、市場流通品よりも品質が良いのでは?」という声がありますが、実際にはケース・バイ・ケースとなります。例えば、大分県佐伯港でN日午前6時までに水揚げされた魚は、朝、産地側で競りにかけられ、N日午前中に、納品先に合わせて、陸送便と航空便ごとに配送の準備がされます。航空便の場合、N日の夜に東京に着き、N+1日の午前2時過ぎから豊洲市場の競り場に商品が並び、午前5時過ぎには市場内の仲卸などに売り切られます。そしてN+1日の午前中に、仲卸から取引先である飲食店に届けられ、N+1日の夜、消費者に提供されます。この例では、大分県側で、直接宅配便などを使って都内の飲食店に販売し、届けた場合と同じスピード感で市場流通品も届いていますが、大量輸送している市場流通品の配送コストのほうがかなり安価に抑えられるのが実態です。商品価格についてはどうなるか、というと、多段階流通を「原価積み上げ方式」で行えば、当然川下に行けば行くほど高くなるわけですが、産地の競り場だけでなく、豊洲の競り場(鮮魚の場合、厳密にはほとんどの鮮魚が「競り」ではなく、相対取引で取引されています)でも、需要と供給で価格が乱高下するため、産地で1,000円@kgだったものが豊洲で500円@kgで入手できることもありえます。例えば同じ魚種の魚が他産地で豊漁で入荷していると、産地市場相場とは関係なく、豊洲市場相場が形成されていきます。さらに、産地側で出荷する産直事業者が、末端の飲食店の発注ロットに合わせてパッキングする商品ですので、産地相場そのままの価格であるわけではなく、それ相応のコストを乗せて産地から販売すると、結局のところ、いわゆる産直品が安い、ということが言えなくなります。

もちろん、市場内の仲卸で、商品の回転が芳しくないところでは、当日入荷した商品を当日中に売りきれず、翌営業日に回して販売することも多々見かけられます。そしてそれらの商品をいつ入荷したものかをあえて明示せず、混在させて誤魔化しながら販売する業者も存在します。「市場流通品は鮮度が良くない」というイメージがあるならば、こういった事業者の販売行為の積み重ねで、料理人側に蓄積されていったものかもしれません。なお、入荷商品の滞留については、豊洲市場などの消費地側だけで行われるのではなく、時化模様などの天候条件とそれに影響される市場相場を見越して、産地の市場業者側で出荷抑制という形で行われることもあるので、いわゆる「荷主」と呼ばれる産地業者の選別も重要になります。

また中央卸売市場の取引では、首都圏でまとまってあまり売れそうにない「ロングテール商品(少量多品種の珍しい商品)」の流通も、あまり積極的には行われません。産地側では人気があり、うまくニーズをつかめば売れて相場がついていく、という商品も各産地には多々ありますが、こういった商品こそ、産地から直接買い付けをする意味があると考えられます。

なお、物流の進化とともに、昨今では「朝穫れもの」といって、水揚げのあった当日のうちに、交通手段を駆使して当日の夜の食卓に並ぶように流通させる例がでてきていますが、これの良し悪しもケース・バイ・ケースです。まず、多くの場合で航空便を利用するため、その配送コストを乗せた仕入れ価格がかなり高くなります。また別の視点では、鮮度があまり高く維持できない漁法で漁獲された商品(つまり安価な商品)をわざわざ「朝穫れもの」として扱い、販売している例がありますが、これなどは品質がどうのこうのというわけではなく、単に「朝穫れもの」という名称を使って、マーケティングしている(悪く言うと、消費者を騙している)だけと考える人もいます。昔は「築地直送」というワードをよく見かけましたが、それと同様に、商品のそれぞれの品質の本質を見定めて、生鮮食品の仕入れを行うべきと当社は考えます。

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  • 何時から何時までに発注すればいいですか?(掲載終了とは何ですか?)

    当社サービスは、業務用飲食店向けのECサイトであるため、一般的なECサイトと違って、水産商品や青果商品などについては、一日でも早く鮮度の高い商品を納品するために、当日入荷した商品を当日中に納品する形にしています。

    そのため、市場相場によって価格や入荷状況が変動するので、それらの商品については、原則、午後4時から午前4時半での販売となり、それ以外の時間帯は、「掲載終了」ということで、発注することはできません(一部の商品については、
    入荷確保の関係で、午前1時や午前3時までしか発注できないものもありますので、ご了承ください)。ご不便をおかけしますが、その分、高品質かつ低価格なものを販売し続けていくため、ご理解くださいませ。

    なお、在庫している商品など、WEBサイトで数量選択ボタンが表示されている商品については、24時間いつでも購入可能です。午前4時半までに発注いただければ、当社営業日の場合、その当日中にお届けいたします。当社営業日(納品可能日)については営業カレンダーに準じます。

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    飲食店アカウントのお客様については、掛け払い決済(Paid決済)とクレジットカード決済、PayPal決済の3種類から選択いただくことができます。また一般消費者のお客様については、クレジットカード決済とPayPal決済のみに対応しております。
    なお、小売店や法人でも飲食店営業許可をとっていない場合は、一般消費者としてお申し込みください。また、コンビニ後払いや着払い発送は当社では承っておりません。ご了承ください。

  • 配送エリアと配送費はどのようになっていますか?

    配送可能エリアは、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県(一部地域を除く)になります。配送費は、箱数に関係なく一律500円(税抜)です。

    なお、年会費4980円をお支払い頂ければ、毎回の配送料が無料となります。詳しくはOrangeMembersのページをご参照ください。

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    商品配送の時間変更については、お客様の店舗のご住所によって承れない場合があります。お客様の住所において、何時に納品可能かどうかは、新規登録ページにて、店舗の郵便番号を入力いただければ、配送可能のお時間の候補が表示されますので、ご参照くださいませ。

    なお、マイページから配送時間の変更をすることができます。また納品方法や場所については、新規登録の際に、ご記入いただく備考欄があるので、そちらにご記載いただければ、指示に従った納品をさせていただきます。

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    誠に申し訳ございません。不良状態に合わせて、代品のご用意か赤伝票をお入れさせていただきます。代品準備の場合の不良品の返品は弊社負担で行いますので、お客様での送料は無料です。

    商品の状態を確認させていただきますので、状態の悪かった商品の画像をマイページからお送りくださいませ。

お客様の声

居酒屋、寿司屋、割烹、フランス料理、イタリア料理、中華料理など、さまざまな飲食店でご利用いただいております。

配送エリアと配送費

東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の主要エリアへ自社配送網でお届けしています。発注量にかかわらず、1回あたり500円(税別)の配送費がかかりますが、年会費4,980円(税別)のOrangeMembersに加入いただくと、毎回の配送費が無料となり、たいへんお得です。

【主な配送エリア】
・東京都
東京都23区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、羽村市、西東京市など

・埼玉県
さいたま市、川越市、川口市、所沢市、飯能市、蕨市、戸田市、草加市、八潮市、三郷市、吉川市、越谷市、春日部市、狭山市、朝霞市、和光市、新座市、志木市、富士見野市、ふじみ野市、入間市、上尾市など

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自社配送網で配送可能なエリアマップ(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県) 会員制サービスのOrangeMembersについて

仕入れについて

豊洲市場での水産バイヤーの仕入れおよび検品の様子 水産物については、世界最高レベルの品質と流通量を誇る豊洲市場において、中央魚類や大都魚類といった荷受会社すべてと数十社以上の仲卸から、経験豊富な担当バイヤーが日々商品を厳選し、仕入れております。また大分県や長崎県、愛媛県、千葉県など、全国各地の産地事業者からも直接交渉のうえ、多くの水産物を仕入れています。
大田市場での青果バイヤーの仕入れおよび検品の様子 青果については、日本最大級の青果市場である大田市場と豊洲市場、淀橋市場などで買参権を取得のうえ、経験豊富な担当バイヤーが荷受会社と仲卸から商品を大量に一括に仕入れ、幅広い品揃えを実現させています。また無農薬や有機栽培などのこだわりをもった全国の生産者からの直接仕入れも精力的に行っております。
芝浦市場での精肉バイヤーの仕入れおよび検品の様子 精肉については、全国一の規模を有する芝浦市場より、ブランド和牛を選別のうえ、仕入れています。また国内外の大手食肉メーカーと直接交渉し、リーズナブルな牛肉、豚肉および鶏肉を買い付けています。さらに、自社センター内の食肉加工専用施設でスライスやミンチ、小分けブロックなどの製造加工も行っております。
調味料・輸入食材バイヤーの仕入れおよび商談の様子 調味料や輸入食材については、担当バイヤーが日々の売れ筋や流行を踏まえて、メーカーおよび商社各社から商品を仕入れており、食材発注が当社で一括でできるように幅広い品揃えをご用意しています。世界各地のハムやチーズ、ワイン、オリーブオイルといった商品をイタリアンやフレンチなどのレストランのお客様にもお届けしています。

フルフィルメントセンターについて

豊海流通センターの1階センター内の様子 当社が入居している「豊海流通センター」は、2022年3月に竣工された最新鋭の冷蔵冷凍センター(敷地面積6,183㎡、延床面積11,893㎡、地上4階建て)です。水産物をはじめとした生鮮食品の流通を効率的に扱えるよう、豊洲市場から車で5分という好立地条件の場所に、最先端の施設設計で構築されています。温度管理された仕分けスペースや加工施設、冷凍保管庫などが飲食店への少量多品種の出荷を支えています。

配送について

豊海流通センターの全体およびトラックバースの様子 1都3県の飲食店のお客様へ当日配送するということだけでなく、ランチの準備で必要な食材の発注や、不在時の店内納品など、お客様のニーズに対してきめ細やかなサービスを実現させていくために、ラストワンマイルの配送網の構築と運用について自社で行っています。顧客データベースと配送管理システムを駆使し、最先端の物流品質を目指します。

代表者の事業にかける思い

勝鬨橋から旧築地市場を眺める当社代表の様子
日々の食事は、限りある人生の日々の中でとても大事な時間のひとつです。そういった「食」の本質を大事にする料理人の方に対して、さまざまなこだわりをもった各地の素晴らしい食品を集め、なるべく使いやすい小ロットで、かつリーズナブルな価格でお届けすることが当社の事業であり、「good food, good life.」の事業理念の意味です。「自分の料理を食べた方に『美味しい!』と言われることが嬉しくて、かけがえのないこの人生で、この職業が辞められないんだよ」とは、僕が尊敬する料理人の方の言葉です。そういった料理人の方、そして生産者の方が一人でも増え、そしてその結果、消費者の方に豊かな幸せが広がること。それが僕の夢であり、そして数々の職業と失敗を経て、この事業に出会った僕の使命でもあります。