ネギ科ネギ属
韮、Chinese chive
主産地:高知、栃木、茨城
旬時期:3月~9月

ニラ

基本情報

東アジアの原産で、「古事記」や「万葉集」にも登場するなど、薬草として古くから利用されてきた。野菜として全国各地で栽培されるようになったのは、第二次世界大戦後になってからである。

名称の由来

「古事記」に加美良(カミラ)、「万葉集」に久々美良(ククミラ)、「正倉院文書」に彌良(ミラ)の記載が残っている。ニンニクの古名のオオミラに対して、ニラをコミラと称していたとされる。ミラが転嫁してニラになったとされる。

特徴

ネギ属に属する多年草。7~9月頃に30~40cmの花茎を伸ばし、先端に白い花を咲かせる。

食材情報

体を温める作用のある温性野菜で、栄養価の高いスタミナ野菜の代表選手。独特の強い香りはアリシン(硫化アリル)によるもので、ビタミンB1の吸収率をアップすることから、ビタミンB群の豊富な豚肉との相性が良い。豚レバーと合わせたレバニラ炒めや餃子などが人気。鍋物やおひたしにも向く。栃木県鹿沼地方では、日本料理と合わせたニラそばが伝えられる。また国内生産量トップの高知県では、ニラ塩焼きそばがご当地グルメになっている。仏教の世界では、ニンニクやラッキョウなどと共に五葷のひとつとされ、禁忌とされてきた。これは匂いの強さだけでなく、その栄養価の高さから、精のつく食べ物を肉食と共に禁じたともいわれる。年間を通じて流通しているが、春の出始めのものは葉が柔らかく、香りも強く美味。

品種

・葉ニラ
緑色の葉の部分を食用にする。

・花ニラ
花茎とつぼみを食用にする。香りがマイルドで甘みがあり、歯触りが良い。

・黄ニラ
日光をあてず軟白栽培したニラ。見た目が美しく、柔らかで甘みがある。別名ニラもやし。岡山県では黄ニラを特産品として生産しており、「黄ニラばら寿司」はご当地グルメとして有名。

主産地

2013年の全国生産量ランキングは以下の通り。

高知県    1万4,900トン
栃木県    1万400トン
茨城県    7,170トン
宮崎県    3,810トン 
北海道    3,200トン 
群馬県    3,140トン 
大分県    2,880トン 
福島県    2,600トン 
山形県    2,430トン 
千葉県    2,350トン

栄養

カロテン、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、カリウムなどを豊富に含む。独特の強い香りはアリシン(硫化アリル)によるもので、ビタミンB1の吸収率を高める働きがある。ニラには血行を良くして体を温め、胃腸の働きを整える効果があるとされ、古くから薬草として、風邪の予防や病後の回復に利用されてきた。

選び方

葉先までピンとしてみずみずしいもの、葉の色が鮮やかな緑のものを選ぶ。