ヒラマサ

スズキ目アジ科ブリ属
平政、Yellowtail amberjack
生息域:本州以南
旬時期:5月~7月
調理法:刺身、寿司種、塩焼き、照り焼き、煮つけ、バター焼き

ヒラマサ

基本情報

「ブリ御三家」と呼ばれるブリ、カンパチ、そしてヒラマサの中で、最も脂肪が少なく、さっぱりした魚。独特の風味があり、身締まりも良く、ブリよりも高級魚とされる。ヒラマサは刺身にすると最高。乳白色の身は透明感があり美しい。締めてから時間が経っていないものは歯ごたえが良く、熟成させるとねっとりした旨みが出てくる。夏場の寿司種としてシマアジと並んで人気が高い。

名前の由来

「ひら」は側扁した体に由来する。地方名にヒラ、マサギ(いずれも三重県)ヒラマサ(東京)、ヒラサ(瀬戸内海の一部)、ヒラス(大阪・高知・九州)、ヒラソ(山陰)、ヒラソウジ(九州)などがある。

特徴

アジ科魚類の最大種で、成魚は1m前後になる。体は前後に細長く、ブリの仲間では最も体が平たい。背が青緑色、腹が銀白色で、鰭条数は第一背びれ6~7棘・第二背びれ1棘34~36軟条、尻びれ2遊離棘1棘19~22軟条。体表は細かい鱗に覆われ、側線鱗数は約200に達する。同族のブリに良く似ているが、カンパチの方が体が側扁しており、目の位置が吻と尾の中央を結ぶ線上に位置し、胸びれが腹びれよりも小さく、体表の黄色い縦縞が鮮やか。また上顎後方の上側がブリは直角に角ばっているのに対して、ヒラマサは丸みを帯びていることから区別できる。ブリよりも南方種で、全世界の亜熱帯から温帯海域に広く分布する。日本近海では東北以南で見られる。沿岸や沖合の中層から低層を群れで回遊する。日本の北海道南部や東北地方では夏に北上したものが水揚げされる。時速50km超で泳ぐ。食性は肉食で、小魚や甲殻類、頭足類を捕食する。日本近海での産卵期は4~8月で、ブリより遅い。卵は球形の分離浮遊卵。稚魚は体側に6~10本の横縞があるが、成魚になると消える。ブリと異なり、稚魚が流れ藻につくことはあまりなく、沖合で生活する。

食材情報

ブリ・カンパチ・ヒラマサを指して「ブリ御三家」と呼ぶ。ヒラマサはその中で最も脂肪が少なく、さっぱりしている。独特の風味があり、身締まりも良く「青背の貴公子」といわれるほど。ヒラマサはなんといっても刺身が最高。乳白色の身は透明感があり美しく、しっとりした歯ごたえは絶品である。締めてから時間が経っていないものはコリコリした歯ごたえで、数時間から1日熟成させたものは、ねっとりした旨みが出てくる。夏場の寿司種としてシマアジと並び称され、高級料亭でも珍重されている。さっぱりした味わいで酢の物にも向き、ブリ同様、照り焼きや塩焼きにしても美味。脂肪が少ないので、フライやムニエルなどにも向く。冬が旬のブリとは逆に、ヒラマサの旬は夏。産卵期と旬が重なり、身がふっくらしていっそう美味しくなる。

高速で泳ぎまわるために筋肉がしっかりしており、たんぱく質が豊富。脂肪量も白身魚に比べて多い。血圧を下げる作用があるとされるカリウムが豊富。ビタミンD、ビタミンEも豊富に含有する。DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を多く含む。

市場での評価

漁獲量が少ないこともあり、市場ではブリよりも高値で取引されることが多い。夏の三陸産のヒラマサは評価が高い。東京ではかつて6月頃に相模湾から外房にかけて漁獲されるヒラマサを最上のものとした。大型のものよりも、3~4kg前後の若魚の方が美味とされる。また大型個体ではシガテラ中毒も報告されている。夏から秋にかけてマグロを追いかける定置網や巻き網にかかり、三陸や東北で水揚げされるヒラマサは、脂の乗りが良く、高く取引される。また近年では、日本海の佐渡島近辺でもヒラマサが水揚げされるようになり、脂が良く乗って、三陸産と並び高値で取引されている。

漁獲法

釣りのほか曳網や延縄、定置網、刺し網などで漁獲される。青森から九州まで全国各地で水揚げされている。九州各地を中心に養殖も盛んに行われており、市場には年間を通じて入荷されている。関東では釣りの対象としても人気が高い。伊豆七島での磯釣り、外房のカモシ釣りなどが人気。