キジハタ

スズキ目ハタ科マハタ属
雉羽太、Redspotted grouper
生息地:青森以南、朝鮮半島南部、台湾、中国
旬時期:6月~8月
調理法:刺身、しゃぶしゃぶ

キジハタ

基本情報

ハタ(クエ)の一種。関西では「西のフグ」とも称せられる高級魚で、「夏は鱧か石茂魚(アコウ)か」といわれ、石茂魚料理は、夏に欠かせないご馳走である。暖海性であるため、関東よりも関西で人気が高い。関西ではアコ、アコウと呼ぶが、関東でいう「アコウダイ(メヌケ)」とは別の魚である。ハタの中でも特に美味な魚で、キロ1万円で取引されることもある。芳醇な甘みと旨みがあり、皮にもコラーゲン層があり、なめらかな舌触りを持つ。皮造りのまま薄造りにしても、湯引きして落としにしても旨い。アコウのほか、アズキハタ、アズキマスなどの別称を持つが、関東の市場での「アズキハタ」はまた別種のものを指す。沖縄ではヨーリョウミーバイとも呼ばれる。

名前の由来

西日本を中心に多くの地方名がある。

アズキハタ・アズキマス(名古屋)
ナメノコバチメ(能登)
モクズ(富山)
ヨネズ(福井)
イネズ(宮津)
アク(和歌山)
タナンダラ(南紀州)
アコ・アコウ(関西)
キョウガラ(堺)
ヨネツ(丹後)
アカミズ(下関)
アカミズ(島根)
アオナ・セモン・アゴゼモン(福岡)
ノミノクロ(長崎)
モイオ(鹿児島)
スジアラ(鹿児島)

特徴

全長40cm。やや細長く、赤みを帯びた小斑点がある。背びれは11棘。尾びれの端が丸い。幼魚期には青や橙色の縦帯が見られる。この縦帯は成魚でも残るが、青や橙色縦帯は成魚では見られない。生まれた時にはすべて雌で、雌としての役割が終わると成長の途中で卵巣内に精細管が生じ、精巣に変わって雄となる。本州の中部以南から朝鮮半島の西南部、特に済州島周辺に分布する中国大陸からフィリピンにも生息する。海藻の多い岩礁地帯に生息し、岩穴をすみかとする。餌を見ると一気に飲み込んで岩穴に持ち込む習性がある。釣りの時に穴の奥まで逃げ込まれると、引き出すのに非常に苦労することになる。

食材情報

甘みと旨みのある白身は刺身にすると美味。寿司種としても人気が高い。顎はゼラチン質の肉が楽しめ、身肉と皮の間のコラーゲン層はなめらかな舌触り。皮ごと薄造りにすると美味。市場に入ると料亭や寿司屋に買われるため、スーパーなどではまず見ることがない。関西で石茂魚(アコウ)料理は鱧(ハモ)と並ぶ人気である。煮つけも美味で、浜辺の宿の名物になっている。関西圏で人気の高級魚だが、富山湾、若狭湾、兵庫県からの入荷が多い。かつては瀬戸内海ものが多かったが、乱獲のため数が減少している。大阪府では栽培漁業としてアコウの稚魚放流がおこなわれている。身はカルシウムやリン等のミネラルに富む。活けのものは最高級。活け締めは死後硬直していないもの。体に張りがあり、鰓が鮮紅色のものを選ぶ。

漁獲法

用心深い性質のため、釣りよりも底引き網が中心。釣りの場合は、沿岸の岩場で、岩と岩の間をエビや小魚の餌で釣る。山陰では竹野沖、佐津沖、余部沖などに2キロクラスの大物がおり、釣り人に人気。岩穴に逃げ込む習性があるため、一旦穴に逃げ込まれると、すべてのヒレを逆立てて抵抗する。そのうち釣り糸が岩にこすれて切れてしまうこともある。