ビンナガマグロ

スズキ目サバ亜目サバ科マグロ属
鬢長鮪、Bottle butterfly tuna
生息域:世界中の亜熱帯域、温帯域
旬時期:1月~3月
調理法:刺身、寿司種、ステーキ

ビンナガマグロ

基本情報

キハダと共に、ツナ缶の材料に使われてきたビンナガマグロ。しかし最近では、刺身や寿司種として賞味されるようになり、特に脂の乗った身肉の部分は「ビントロ」と呼ばれて人気が高い。

名前の由来

胸びれが非常に長く、長い鬢(びん)のように見えることに由来する。市場では「ビンチョウ」「ビンチョウマグロ」と呼ばれる。別名にカンタ、カンタロウ、トンボ、トンボシビ、ビナガなどがある。

特徴

体長約1.4m前後、体重約40kgに達するが、多く漁獲されるのは50~100 cm前後のサイズのもの。マグロとしては小型種である。胸びれが非常に長く、第2背びれの後端を超える。尾びれ後縁が白く縁取られていることから、ほかのマグロと区別できる。全世界の温帯海域に広く分布する。キハダやメバチがいない地中海にも生息するが、日本海にはほとんど回遊しない。16~20度のやや冷たい水温を好む。北太平洋では多くの個体が日本近海とカリフォルニア沖の間を渡洋航海する。熱帯・亜熱帯海域で夏に産卵期を迎える。成熟した雌は200万~300万粒の卵を2回以上に分けて産卵する。

食材情報

身肉の色は白みがかったピンク色で、加熱すると白くなる。ステーキなどに料理されるほか、ツナ缶の原材料にされることが多い。ツナ缶の材料としては高級品で、ビンナガマグロを原料にしたものはホワイトミート、キハダマグロやカツオを原料にしたものはライトツナと呼ばれて区別される。最近では、脂の乗ったビンナガマグロの身肉を「ビントロ」と呼んで賞味するようになった。脂が乗ってとろけるような味わいが美味。値段も比較的安価であるため、回転寿司などで特に人気が高い。小型のものはなまり節に加工される。栄養価としてはほかのマグロ同様、脂質に富み、不飽和脂肪酸であるDHA、EPA、鉄分、ビタミン類やミネラルの含有が豊富である。多くが加工品となるが、生鮮の流通も一部あり、キロあたり300~800円程度で取引される。冷凍ビントロはキロ当たり1000~2000円程度とやや高価。

漁獲法

成魚はマグロ延縄漁でも漁獲されるが、ビンナガマグロだけを狙う場合には、竿釣で漁獲する。若魚は竿釣、曳き網、巻き網などで漁獲される。国内で水揚げ量が多いのは、宮城県、三重県、宮崎県、大分県。世界の漁獲量が年間約20万トン前後で推移しており、そのうち日本が約3分の1を消費している。乱獲によって個体数は減少している。