イイダコ

八腕形目マダコ科マダコ属
飯蛸、Ocellated octopus
生息域:北海道以南
旬時期:冬~春
調理法:煮物、おでん、唐揚げ

イイダコ

基本情報

一年中出回るが、卵を抱いているものに価値があるため、抱卵期の秋から冬に旬を迎える。卵の有無で値段が決まる。卵は米粒を思わせる触感で、ほっくりした甘みと食感がある。桜煮や唐揚げ、おでんの具材にして美味。

名前の由来

4mm程度と比較的大粒な卵が飯粒のように見えること、あるいは煮た触感が飯粒のようであることに由来する。イシダコ、カイダコ、コモチダコの別名がある。

特徴

全長30cm程度で、タコ類の中では小型。全身が小イボで覆われ、背中に黒い縦縞がある。体色は周囲の環境により変化する。眼の下(傘膜の上)に金色の輪状紋と両眼の間に金色紋があることから他種特別できる。興奮すると胴や腕に黒い縦帯模様が現れる。北海道南部以南の日本沿岸域から朝鮮半島、黄海、中国沿岸域にかけて東アジアの浅海に分布する。波打ち際から水深10mほどまでの砂泥底に生息する。海底に落ちている二枚貝の殻や空き瓶などを隠れ家にする習性がある。冬から春にかけて産卵期を迎え、海底の石の間や貝殻の中に長径4mm程度の半透明の卵を産む。産卵数は300~400粒程度で、ちょうど米粒程度の大きさであることが和名に由来する。産卵後は雌が卵の近くに留まって卵を保護し、孵化後にはほとんどの雌は死んでしまう。孵化した幼ダコは浮遊することなく、すぐに海底を這う。甲殻類、多毛類、貝類などの底生生物を捕食する。

食材情報

小ぶりのタコで、甘みとほどよい旨みがある。桜煮やおでんの具として美味。一年中出回るが、卵を抱いているものに価値があるため、旬は抱卵期の秋から冬。雌が圧倒的に高く、雄は安い。卵は米粒を思わせる触感で、ほっくりした甘みと食感がある。卵を持ったものを桜煮や唐揚げ、おでんの具材にする。明石のイイダコは大ぶりで卵の量も多く、評価が高い。雄の白子は触感に乏しいが、柔らかく味が良い。白っぽくないもの、輪紋が明瞭なものを選ぶ。

市場での評価

卵を持つ秋から冬にまとまって入荷する。子持ちは非常に高い。雄は安い。主に10cm前後のものが出回る。

漁獲法

タコツボ漁で主に漁獲される。イイダコ用のタコツボは、大きな二枚貝の貝殻や、それを模したプラスチック製の貝殻が使用される。主な産地は、瀬戸内海、三河湾など。イイダコ漁の歴史は古く、弥生時代や古墳時代の地層からイイダコ漁用と思われるタコツボが発見されている。

海岸から釣ることができ、白い二枚貝を模したテンヤを使った釣りが人気。キスやクロダイ釣りの外道として上がることもある。