マナマコ

楯手目マナマコ科マナマコ属
真海鼠、Sea cucumber
生息域:日本各地
旬時期:12月~3月
調理法:生、干物(いりこ)、加工品(このわた、くちこ)

マナマコ

基本情報

独特の歯ごたえを活かした酢の物は酒肴として人気。ナマコを煮上げて干したものは「いりこ(海参)」「きんこ(金海鼠)」と呼ばれ、高級中華食材となる。ナマコの腸管を塩辛にしたものが「このわた(海鼠腸)」、卵巣が「このこ」「くちこ」「ばちこ」となり、珍味として人気が高い。

名前の由来

古くは単に「コ」と呼ばれており、干したものを「干しこ」、生のものが「生こ」とされた。この内、主に食用とされる本種に「真ナマコ」の和名がついたが、一般的にはナマコとして流通している。タラワ、タワラゴの別名を持つ。関西ではトラゴとも呼ばれる。

特徴

体長30cm程度。体は円筒形で、背に多数の円錐状の突起がある。口の周りに冠状に触手があり、反対側端は肛門が開く。千島列島、樺太から九州南端まで分布し、水深40m以浅の海底に生息する。体色は大きく3種類に分かれ、赤褐色のものをアカナマコ、暗青緑色のものをアオナマコ、黒いものをクロナマコと呼ぶ。アカナマコ、クロナマコは外洋性の岩礁帯に多く見られ、アオナマコは内湾の砂泥底生である。産卵期は3月から9月で、北海道では7月から8月、神奈川では4月から7月、福井では5月から6月、山口では4月から5月、九州では3月~6月。産卵は夜間に行われる。口の後ろの背面に生殖器があり、成熟個体は前半身を左右にくねらせながら産卵、放精する。長径0.15mmの楕円形の卵を約500~2000万粒産卵する。産卵期を終えた個体は休眠に入り、秋になると再び活動を始める。水温20℃で40~45時間で孵化し、アウリクラリア幼生として浮遊生活を送る。10日前後でドリオラリア幼生に変態し、底生生活に移行した後、ペンタクチュラ幼生になり、成長するにつれて体が縮む。孵化から約3週間で0.3mm前後の稚ナマコに変態する。生後1年で6cm、2年で13cm、3年で18cm、4年で20cm前後に成長する。底質の砂泥を吸い込み、その中に含まれる小型甲殻類、魚卵、軟体動物の幼生、珪藻類などを摂取する。冬に活動が活発になり、水温が25℃以上になると、岩礁の陰や転石の下などの暗所で仮眠状態となる。

食材情報

江戸時代に珍重された酒の肴。生で酢の物にしたものは酒肴として人気。独特の歯ごたえがあり、かすかな苦みと渋みがある。ナマコを煮上げて干したものは「いりこ(海参)」「きんこ(金海鼠)」と呼ばれ、高級中華食材となる。江戸時代には長崎から干しアワビやフカヒレと共に三俵物として輸出された。「海参」の漢字は、強精の薬効が朝鮮人参に匹敵するとされることに由来する。ナマコの腸管を塩辛にしたものを「このわた(海鼠腸)」、卵巣を「このこ」「くちこ」「ばちこ」と呼ぶ。一枚の「このこ」をつくるのに数kgのナマコが必要とされ、高価な酒の肴である。三河の「このわた」は、越前のウニ、長崎のカラスミと共に、天下の三珍とされた。

アカナマコ、アオナマコ、クロナマコの内、アカナマコが身が厚くて柔らかく、最も美味とされる。大きなものは大味になるので、15cmくらいまでのものを選ぶ。

太くて短く、イボがはっきりしているもの、皮がしっかりとして固いものが良い。表面のイボが多いものは身が硬い。成分の90%以上が水分で、栄養価は低いが、カルシウムやマグネシウム、コンドロイチンを多く含有する。

漁獲法

主に潜水や桁網、鉤で漁獲される。漁獲量上位4県は、北海道、青森県、山口県、兵庫県。ほかに伊勢・三河湾、志摩、若狭、能登、隠岐、肥後なども産地として知られる。