ヤマトシジミ

マルスダレガイ目シジミ科
大和蜆、Asian clam
生息域:南西諸島を除く日本全国区
旬時期:通年
調理法:味噌汁、佃煮、時雨煮、醤油漬け

ヤマトシジミ

基本情報

日本産のシジミは、河口の泥地に生息するヤマトシジミ、淡水に生息するマシジミ、琵琶湖特産のセタンシジミに大別されるが、最も多く獲れるのはヤマトシジミである。市場には年間を通じて出回るが、種類によって旬が異なり、ヤマトシジミは夏が旬で「土用シジミ」の別名を持ち、マシジミは冬が旬で「寒シジミ」の別名を持つ。オルニチンやタウリン、鉄分やビタミンB2を豊富に含有し、疲労回復や肝臓によいとされている。

名前の由来

貝殻の表面にシワがあることから「縮(チヂミ)貝」からシジミに転じたとされる。地域名に「カワガイ」(佐賀県)、「キイシジミ」(岡山県)、「シジメ」(愛知県)、「スズメガイ」(石川県)、「ヒジメ」(愛知県)などがある。

特徴

塩分を含む汽水域の砂泥に生息する。産卵期は晩春から秋口にかけて。孵化するとトロコフォア、ベリジャー幼生期を経て稚貝となる。寿命は10年以上で、大きさは2cm前後となる。ヤマトシジミは主に利根川河口と宍道湖で大量に漁獲され、国内で最も多く出回っているシジミである。ほかに、セタシジミは大きさ約2cm。春先が旬。琵琶湖特産で、関西で特に好まれる。諏訪湖や河口湖にも移入されている。マシジミは大きさ約3~4cm。殻の光沢が弱い。漁獲量は少ない。南西諸島を除く日本全国区に広く分布するが、国内生産量の9割が宍道湖、利根川河口産である。

食材情報

「アサリは身を食べ、シジミは汁を飲む」といわれるように、汁にするのが一番である。佃煮・時雨煮などにもされる。 オルニチンやタウリンを豊富に含有するため「シジミの味噌汁は二日酔いに効く」といわれ、酒を飲んだ翌日にはシジミ汁が良いとされる。健康食品として「シジミエキス」を使ったものも多く商品化されている。活きたものを殻ごと醤油漬けにしたものは酒の肴としても人気で、台湾でも広く食されている。青森・十三湖ではシジミを使った塩味のラーメンがあり、観光客にも人気を博している。

国内の3種のシジミの内、セタシジミが最も美味とされ、ヤマトシジミ、マシジミとされる。鉄分が多く、うま味成分の一種であるコハク酸やタウリンを豊富に含み、これが溶け出して「汁が美味しい」ということになる。身は約9割が水分の低エネルギーな動物性食品で、たんぱく質が少なく炭水化物が多いという、動物にしては変わった栄養分布である。炭水化物の多くはグリコーゲンで、たんぱく質は少ないが、必須アミノ酸がバランスよく含まれ、これに含まれるロイシン、リジン、メチオニンなどのアミノ酸にも肝機能を高める働きがある。身はカルシウム、ビタミンB12、鉄が豊富。ビタミンB12は葉酸と共に血液中のヘモグロビンの合成を助ける作用があり、鉄分は鉄欠乏性貧血を予防する。飲み過ぎた翌日はもちろん、貧血に悩む女性もぜひ積極的に取り入れたい食材である。

市場での評価

市場には年間を通して入荷しており、値段は比較的安値で安定している。産地は、千葉県利根川河口、島根県宍道湖のほか、北海道網走湖他、青森県十三湖・小川原湖、茨城県涸沼、三重県木曽川河口、大阪府淀川河口、島根県・神西湖などで漁獲される。中国・韓国、ロシアからの輸入物が増えている。