ウリ科カボチャ属
南瓜、Pumpkin(英)、Squash(米)
主産地:北海道、佐賀、長野
旬時期:5月~6月

カボチャ

基本情報

カボチャは大きく分けて、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3種類に分類される。日本カボチャの原産地は諸説あるが、中央アメリカとする説が有力。ペルーでは紀元前4000~3000年の出土品から見つかっている。北アメリカを経由して、コロンブスによってヨーロッパに伝来し、世界中に広まった。日本に伝わったのは1542年頃、九州に漂着したポルトガル船によってもたらされたとされる。一方、西洋カボチャは中南米の高地が原産とされる。日本には1863年、アメリカからもたらされ、明治時代に北海道などで栽培されたが、大正時代に入ると関東以南でも栽培されるようになった。ペポカボチャは北米・中米の原産とされ、日本への渡来時期は明らかではないが、明治初年に導入された記録が残っている。

名称の由来

カンボジアを意味するポルトガル語Camboja (カンボジャ)が転訛し、カボチャとなったとされる。ポルトガル船によってカボチャが日本にもたらされた際、「カンボジア産のウリ」と伝えられたことに由来する。西日本ではボウブラと呼ぶ地域もあるが、これもポルトガル語でウリを意味するabóbora (アボボラ)に由来する。ほかに南京と呼ばれることがある。

特徴

日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャの3種類に大別される。国内で主に流通しているのは西洋カボチャ系である。日本カボチャは、水分が多く、ねっとりとしている。西洋カボチャは粉質で甘みが強く、加熱するとホクホクとした食感になる。

食材情報

でんぷん質が多く、基本的に加熱して調理する。煮物や焼き物、揚げ物、ポタージュスープなど幅広く利用されるほか、甘みを活かしたパンプキンパイなどのスイーツも人気。栄養価の高さは、野菜の中でもトップクラス。含有するビタミンEは、血行を促進して体を温める作用がある。冬至にカボチャを食べると風邪をひかないといわれるのは、このためである。なお、カボチャは夏から秋にかけて収穫されるが、収穫直後は甘みが少なく、一定期間追熟させること、また保存性が高いことから、冬に食べられることが多い。

品種

<西洋カボチャ>

・黒皮栗カボチャ
現在、市場に主に流通しているカボチャで、「エビスカボチャ」「ミヤコカボチャ」「くりゆたか」「九重栗カボチャ」などの品種群の総称。栗のようにホクホクしていることから、栗カボチャともいわれる。

・ぼっちゃんカボチャ
果重500g程度で、手のひらサイズのカボチャ。粉質でホクホクとして甘みがある。電子レンジで丸ごと加熱するだけでも食べられる。またそのサイズを活かして、詰め物をして丸ごと蒸し料理やグラタンなどに調理される。

・芳香青皮栗カボチャ
果皮は灰緑色で、果形は偏平で浅い溝がある。粉質で甘みが強い。通称東京カボチャといい、関東地方を中心に出回る。

・赤皮栗カボチャ
果皮は朱色で、その美しさを活かしてソテーや揚げ物などに調理される。果皮は固くなく、ホクホクしている。日もちが良い。

・打木赤皮栗カボチャ
赤皮栗カボチャの仲間。果形は紡錘形で、やや小ぶり。赤皮栗カボチャ同様、果皮は固くなく、ホクホクしている。

・白皮栗南瓜
別名雪化粧カボチャ。

・ターバン・スカッシュ
薄いベージュ色で、ターバンを巻いたような果形。国内で流通しているのはアメリカからの輸入物のみ。水分が多く、甘みは少ない。


・宿儺カボチャ
岐阜県高山市丹生川町周辺で古くから栽培されてきた飛騨の伝統野菜。ヘチマのように長く、果皮は薄い緑色。

<日本カボチャ>

・黒皮カボチャ
日本カボチャの代表的な品種だが、現在は市場ではほとんど見られない。別名ちりめんカボチャ。水分が多い。

・菊座カボチャ
黒皮カボチャよりもやや小ぶり。中をくり抜いて詰め物をする蒸し料理に向く。

<ペポカボチャ>

・ズッキーニ
開花後5~7日の若採りした未熟果を食用にする。

・金糸瓜
加熱すると果肉の繊維が糸状にほぐれる。別名そうめんカボチャ。

主産地

2013年の全国生産量ランキングは以下の通り。

北海道    98,000トン 
鹿児島県 9,300トン 
茨城県    6,720トン 
長崎県    6,040トン 
宮崎県 5,020トン 
千葉県    3,600トン 
長野県    3,270トン 
神奈川県 3,010トン 
沖縄県    2,920トン
石川県    2,030トン

栄養

カロテン、カリウム、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、カルシウム、鉄などを豊富に含む。栄養価の高さは野菜の中でもトップクラス。

選び方

皮にツヤがあり硬く、ずっしりと重みのあるものを選ぶ。ヘタは枯れて乾燥し、周囲がくぼんでいるものが完熟している。カットしたカボチャを購入する時には、種がしっかりと詰まっていて、果肉の色が鮮やかなものを選ぶ。