新腹足目エゾバイ科エゾバイ属
越中貝、Finely-striated buccinum
生息域:能登半島以西
旬時期:11月~2月
調理法:刺身、煮つけ、酒蒸し、壺焼き

エッチュウバイ

基本情報

能登半島以北から北海道沿岸にかけて漁獲されているカガバイと共に、「白バイ」と総称されて流通している貝。肉食性の巻貝である。身はくせがなく甘みがあり、大ぶりのものは刺身にして良い。煮つけや酒蒸しにすると、身の甘さとほろ苦いワタが相まって美味。

名前の由来

武蔵石寿『目八譜』(1843年)の中で命名されている。「白バイ」の名称が一般的。産地では「真バイ(マバイ)」とも呼ばれる。「バイ」とは貝の音読みのことで、バイ貝というと貝の意味が重複した呼び方といえる。

特徴

殻高約10cm程度。殻は薄く表面は滑らかで、白地に細かい布目状の模様のある薄茶色の殻皮で覆われている。能登半島以西に分布し、水深200~500mの砂泥底に生息する。雌雄異体で雌が産卵する。昼間は泥の中に潜り夜間に餌を求めて動き回る。

食材情報

身は柔らかく甘みがあり、熱を通しても硬くなりにくいのが特徴。大ぶりで新鮮なものは、刺身にして賞味する。くせがなく甘み・旨味があって美味。小ぶりのものは煮つけや酒蒸しにしてよく合う。身が柔らかく、ワタに濃厚な旨みがある。通年水揚げされるが、刺身で食べるには晩秋から冬にかけてが美味とされる。

市場での評価

能登半島以北から北海道沿岸で漁獲されるカガバイと共に、「白バイ」と総称されて流通する。関東では小さいものほど高く、産地では大型のものが高い。むき身の冷凍品も流通している。殻が薄く割れやすいため、入荷時点で欠けているものが多い。関東では煮付けのイメージが定着しているからか、小さいサイズのほうが値段が高く、大きいサイズのものは値段が安い。

漁獲法

主に籠漁、小型底引き網で漁獲される。能登半島、島根県、山口県での漁獲が多い。その肉食性を利用して、サバやイワシを餌にし、海底にロープをつけたかごを仕掛ける「バイかご漁」という独特の漁法も行われている。