イワガキ

カキ目イタボガキ科カキ属
岩牡蠣、Rock-oyster
生息域:本州~九州
旬時期:6月~8月
調理法:生食、焼きがき、蒸しがき、カキフライ、炊き込みごはん

イワガキ

基本情報

冬に旬を迎えるマガキと異なり、夏に旬を迎えるイワガキ。大きなものでは1kgを超え、磯の香り溢れる野趣豊かな旨みが魅力的である。可食部が大きく、一口大に切り分けて生ガキで賞味するほか、焼きガキや蒸しガキ、フライや炊き込みご飯にしても美味である。近年では養殖が進み、特に島根県隠岐海士町の「隠岐いわがき」が有名である。

名前の由来

岩につくカキ、あるいは岩のようにゴツゴツした外見のカキに由来するとされる。マガキの旬が冬であるのに対して、夏に旬を迎えることから夏ガキとも呼ばれる。ほかにクツガキ、シャッパ、ソコカキ、ソコガキ、バッカイなどの別名がある。

特徴

殻長10cm、殻高20cmを超える雌雄同体の大型のカキ。形は長楕円形で。殻は厚く表面は薄い板状が重なり合っている。1kg近い重さがあるものもある。陸奥湾から九州、日本海。潮間帯下の岩礁域に生息し、潮間帯から水深10mくらいまでの岩礁に付着する。

食材情報

マガキが秋から入荷してきて春に終了するのに対して、イワガキは夏に旬を迎える。産卵期が長く味が落ちないため、春から秋口まで入荷する。生で食べるのが一般的。マガキに比べて可食部が大きく、適宜に切り分けて楽しむ。レモンなどの柑橘類を落して生食すると、磯の香りが華やかに立ち、つるっとした食感で喉にすべりこむ。独特の渋みと濃厚な旨味があり、焼きガキや蒸しガキ、フライにしてもよい。

秋田県象潟待ちでは天然イワガキを使った炊きごみご飯が名物である。古くは食べる地域が限られていたが、最近では産地が増え、養殖も行われるようになり、全国的に一般的な水産物になってきている。養殖を始めたのは島根県隠岐海士町で「隠岐のいわがき」として有名。三重県でも数ヶ所で養殖されている。養殖イワガキは2~5年の養殖期間が必要だが、身が大きく形がよいこと、浄化による安全性が高いことなどから、天然イワガキと同じ程度の価格で取引される。隠岐では、長年にわたって採苗と事業化に取り組み、1992年にイワガキの種苗生産を日本で初めて完成させた。西ノ島町浦郷にある島根県栽培漁業センターでは、人工の種苗採取、出荷用種カキ育成の生産が行われ、漁業者に販売されている。2002年には「春香」の名前でブランド展開を始め、また島根県内で生産される農林水産物で、高い安全性と優れた品質を兼ね備えた産品を生産する生産者・生産方法を知事が認証する「美味しまね認証制度」に、海士町いわがき生産株式会社2010年認証を受けている。海士町の重要な戦略拠点施設としてCAS(Cells Alive System)凍結センターがあり、従来の凍結技術で損なわれていた食材の鮮度や食感、旨味、色味を保持できるため、イワガキのオフシーズンでも「春香」を店で食べることが可能である。

持ってみて貝殻から体液が漏れないもの、貝殻がだらしなく口を開けていないものを選ぶ。

栄養価としては、マガキと同様、タンパク質、鉄分、カリウムなどの無機質、各種ビタミン類を豊富に含有する。またグリコーゲンやタウリン、亜鉛に富み、疲労回復や貧血防止などによいとされる。

産地は、古くは日本海側の鳥取、石川、新潟、象潟(山形)、太平洋側では千葉県銚子、鹿島灘などであったが、現在では、秋田、宮城、千葉、茨城、石川、富山、伊勢湾、三河湾、熊野灘、京都、島根、徳島、宮崎など全国に広がっている。