ホタルイカ

ツツイカ目ホタルイカモドキ科ホタルイカ属
蛍烏賊、Firefly squid
生息域:北海道~土佐湾、日本海
旬時期:4月~5月
調理法:酢味噌和え、沖漬け、刺身

ホタルイカ

基本情報

日本海側の富山県や兵庫県で「春の風物詩」として賞味されてきたホタルイカ。鮮度劣化が早く、かつては産地のみで消費されてきたが、冷蔵技術と輸送手段が発達した近年では、首都圏などでもホタルイカが流通するようになった。身は柔らかく、ワタに独特の苦みがあり美味。酢味噌和えや沖漬けのほか、最近では刺身も人気だが、寄生虫がいることがあるため、生食の場合は一定期間冷凍することが必要である。

名前の由来

明治38年に動物学者である渡瀬庄三郎博士が富山県を訪れた際、蛍のように光るイカを見て命名した。学名のWataseniaも渡瀬博士に因んで名づけられた。別名に「コイカ」「マツイカ」がある。

特徴

胴長7cm程度。日本近海では、北海道から日本海全域、太平洋側では土佐湾を南限に分布する。水深200~700mの深海に生息し、春の産卵期になると冨山湾に集まってくる。滑川市海域は「ホタルイカの群遊海面」として国の天然記念物になっている。1度に数千個から1万個の卵を産む。雄は交接を済ませると雌よりも早く死んでしまう。卵は約二週間で孵化する。寿命は約1年。2月~6月頃に、冨山湾などで産卵のために浮上したホタルイカが波打ち際に大量に打ち上げられることがあり、これを「ホタルイカの身投げ」と呼ぶ。目の周り、第4腕先端、身体の腹側に発光器がある。ホタルイカの仲間はルシフェリンという発光物質とルシフェラーゼという発酵促進物質を持っており、これが混合することで、ルシフェリン -ルシフェラーゼ反応が起こり発酵する。仲間同士の信号や、威嚇のほか、海外の明るさと同調することによって外敵から姿を隠す役割を担っている。これをカウンターシェイディングと呼ぶ。

食材情報

富山県では古くから食用とされ、酢味噌和え、沖漬け、天ぷら、唐揚げなどで賞味されてきたほか、足の部分を刺身にした龍宮素麺(りゅうぐうそうめん)が有名。鮮度劣化が早いため、冷蔵技術と輸送手段が発達する最近までは、産地以外への輸送は困難だった。水揚げしてすぐに茹でたものが流通していることが多い。旬は春。寄生虫(旋尾線虫)の危険があるので、生食する場合はワタを除去するか、冷凍して一定時間おいたものを食べる。茹でたものは膨らみがあり、表面につやのあるもの。生のものは透明感のあるものを選ぶ。

ホタルイカは内臓ごと食べるため、肝臓に含まれるビタミンAが豊富に摂取できる。ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、鉄や銅などのミネラル類を含むほか、タウリンを豊富に含有する。旋尾線虫が寄生している可能性があるので、生食は避ける。厚生労働省による通知では、マイナス30℃で4日間以上、もしくはそれと同等の殺虫能力を有する条件で凍結することが注意喚起されている。

市場での評価

主に茹でた状態で流通している。生は高価。活けの状態は非常に高価に取引される。主な産地は、富山県、鳥取県、兵庫県など。

漁獲法

漁期は2月から5月頃で、日本海側の富山県、鳥取県、福井県、兵庫県などで多く水揚げされる。底曳き網、定置網漁で主に漁獲される。富山県では、この夜間漁を見学するための観光船が漁期のみの期間限定で運航されている。富山市から魚津市にかけての富山湾沿岸は、ホタルイカの群遊海面として有名で、富山湾常願寺川河口左岸から魚津港まで、満潮時の沖合までの海域は1922年に国の天然記念物に指定され、1952年には「ホタルイカ群遊海面」の名称で特別天然記念物に指定されている。